南阿比留市で15歳が市議会選出馬、未成年は史上初

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▲ 市議会議員への立候補は25歳以上。これが現行の法律だ。

南阿比留市で15歳の中学3年生が市議会議員選挙への出馬を表明し、大きな話題を呼んでいる。出馬を表明したのは、地元の公立中学校に通う田所良樹(仮名)。彼が掲げたスローガンは「未来を今すぐ取り戻す」で、若者世代の意見を政治に届けたいという思いを込めている。
田所氏の政策は「学校給食の充実」「地元商店街の再活性化」「若者向けの公共交通無料化」など多岐にわたる。特に注目されているのは、「18歳未満でも政治活動を自由に行える環境作り」だ。彼の提案は一部の保護者層から支持を集める一方で、「現実的ではない」と批判する声も少なくない。
法的には未成年の立候補は認められていないが、田所氏はこれに対し「今のルールは過去の大人が作ったもの。これからのルールは今の若者が決めるべきだ」と訴え、選挙管理委員会に候補者登録を強行。これが法的な議論を巻き起こし、南阿比留市全体を揺るがす事態となっている。
一方、市民の反応は分かれている。商店街の経営者は「若い人がこういう場に立つのはいいことだ」と評価しつつ、「ただし、税金のことや経済政策は大人でも難しい。15歳でどこまで理解しているのか」と冷静な意見も寄せている。また、市内の高校生たちは「自分たちも彼みたいに声を上げられるかもしれない」と期待を寄せている。
田所氏は現在、SNSを中心に支援者を増やしており、特にティーンエイジャーから絶大な支持を得ている。彼のInstagramアカウントには「頑張れ!」「私たちも応援しています」といったコメントが殺到。だが一方で、SNS上では「どうせ親が操っている」「ただの目立ちたがり」といった批判も飛び交い、波紋が広がっている。
南阿比留市選挙管理委員会は「現行の法律では未成年の出馬は認められない」としながらも、田所氏が集めた約1万件の署名を受け、対応を検討中。関係者は「法解釈の限界に挑む今回のケースが、今後の政治制度を見直す契機になる可能性がある」と語る。
なお、田所氏の出馬記者会見では、報道陣から「なぜここまで政治に興味を持ったのか」という質問が飛んだ。それに対し彼は、「クラスの学級会でお菓子を持ち込むルールを変えた経験が大きい」と回答。その場の空気が一瞬和らいだ。
選挙戦の結果がどうなるかは不明だが、15歳の挑戦が南阿比留市に与える影響は計り知れない。ただ、彼の母親が「出馬はいいけど、テスト勉強も忘れないで」と話していたというエピソードには、思わず苦笑いを禁じ得ない。
(山本健次)

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