辛味爆増スプーン発売　爆発の痛みが錯覚を引き起こす

東京都内のベンチャー企業「株式会社カプサイシンラボ」が開発した新製品「辛味爆増スプーン」が注目を集めている。仕組みは極めて斬新で、スプーン先端に内蔵された小型の化学反応装置が、食事中に微弱な爆発を起こし、その衝撃によって「辛さ」を錯覚させるという。

スプーンの爆発は安全基準をクリアしたものとされ、実際に危険性は低いという。開発者の安藤烈代表は「舌先で爆発が起こる瞬間、痛覚神経が刺激され、脳がとてつもない辛さを感じる。この刺激は食べ物自体の味を変えることなく、辛さ体験を引き立てる画期的な技術」と胸を張る。

実際に使用した体験者からは賛否両論の声が届いている。「一口食べた瞬間に舌に電流が走ったような感覚。辛さの限界を超えた体験だった」（渋谷区の会社員、35歳）、「涙と汗が止まらず、『辛さ』ではなく『痛さ』を楽しむ器具だと感じた」（中野区の大学生、21歳）などの意見が寄せられている。

一方、専門家は健康面での懸念を示している。ある医師は「痛覚を過剰に刺激することは長期的な影響を及ぼす可能性がある。特に感覚が鋭い子どもや高齢者には注意が必要」と警告。使用の際には十分な水分を摂ることを勧めている。

しかし、この革新的なスプーンには暗い影も。実は開発段階で起きた事故が極秘裏に処理されていたという。内部資料によれば、試作品テスト中に反応装置が暴発。技術スタッフのひとりがスプーンを試した直後、装置が制御を超えたエネルギーを発し、頭部に重大な損傷を受けたという。この事故について安藤代表は取材に対し、「安全性の確保が最優先事項だったが、開発の過程で不幸な出来事が起きた。現在の製品には一切の問題はない」と語った。

SNSでは「頭を吹き飛ばす辛さ」「まさに命懸けのスプーン」などと話題が広がり、初回ロットはわずか数時間で完売。転売市場では10万円以上の高値がついている。
(山本直月)