AIによる外交戦略、主要国のトップ会談で初採用。交渉はコンピュータ同士?

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▲ 実際に各国の代表AIによって行われた行われた会議のログ

次世代外交の扉がついに開かれた。首都クラウンドンで行われた主要7カ国の外相会談で、史上初めてAIを交渉戦略に導入。各国が独自に開発した人工知能プラットフォームを駆使し、会談前の事前シミュレーションを行った。交渉本番でも、各国の代表はAIが提案した戦略をそのまま採用する形で議論を進めた。
背景には、複雑化する国際情勢がある。経済、安全保障、気候変動といった多岐にわたる課題に対し、人間だけの判断では限界が見え始めている。特に、過去の外交交渉では、誤解や感情的な対立が原因で合意が遠のいた例も少なくない。今回のAI活用は、データに基づいた冷静な判断を可能にする「感情なき外交」を目指す動きとされる。
交渉に参加したある関係者によれば、AI同士が議論する様子はあたかもチェスの試合のようだったという。具体的には、AIが提示したシミュレーション結果を基に各国の立場を微調整しながら進行。「最初から結果が見えているような交渉は新鮮だった」との声も聞かれた。会談中には、一部の参加者が発言のタイミングを逸し、あたかも「AIに話す隙を与えられていない」と冗談交じりに漏らす場面もあった。
しかし、全てが順調に進んだわけではない。ある局面では、AI同士が互いに「歩み寄りを拒否」する形になり、議論が膠着状態に陥る場面も。最終的には人間が介入し、手動で設定を調整することでようやく合意に達したという。この結果について、「人間の出番が完全になくなるわけではない」と、外交筋は慎重な見方を示した。
市民の間では賛否が分かれている。「AIが感情を持たないのは素晴らしい。これで国益を損なう譲歩がなくなる」「でも、最後はやっぱり人間の直感が必要だろう」といった声が上がった。一方、SNS上では「AIに交渉を任せるなら、次はAIに選挙でも出てもらえば?」といった皮肉めいた意見も。
最後に、会談終了後、各国外相が記念写真を撮影する際、AIのモニターを並べた画面越しでお互いに「握手」する仕草を見せた。この光景に、現地メディアは「人間よりも融和的なAI」と評したが、果たして次回の会談ではどちらが主役になるのだろうか。
(樫本涼介)

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