黙示録後の国連再建会議、誰も出席せず

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▲ 誰も集まらなかった会場予定地。ひっそりとした静寂が佇む。

世界的な崩壊を迎えた後、国際連合が再建を目指して行う予定だった「新生国際連合設立会議」が全く機能しない状態に陥った。会場として指定されていた元ニューヨーク市の地下避難施設には、主催者側の用意した椅子と机が並ぶだけで、参加を表明していたはずの代表者の姿は確認されなかった。
原因は出席者の不足だけではない。各国の通信網が壊滅的な被害を受け、招待状が届かなかった可能性や、そもそも「代表者」として指定されていた人物が黙示録発生時に行方不明になったケースが相次いでいることも指摘されている。また、一部では、再建会議そのものが「もはや意味を持たない」との声も強く、事前アンケートでは「こんな状況で何を決めても無駄」という回答が大半を占めていた。
さらに、会議の開催を推進していた旧国連事務局の残存メンバーも、混乱を収拾できなかった模様。事務総長代理を名乗る人物が「会議を行いたいが、我々も場所がわからない」と混乱を示す発言をしている。
市民からは失笑と冷笑が入り混じった反応が寄せられている。「再建会議?地獄の炎が街中に燃え広がる中で何を再建するつもりだ」「まずは水と食料を手に入れる方法を議論してくれ」といった現実的な意見が大多数を占めた。
次回会議の開催日程については「未定」とされたが、状況の改善を見込む声はほとんど聞かれない。地球規模の崩壊が進行する中で、新たな国際秩序が築かれる日は果たして訪れるのか。その未来は依然として不透明だ。
(Amalia Vento)

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