NASA、“新たな始まり”のための惑星を発見か

アメリカ航空宇宙局（NASA）が、太陽系外で生命が存在する可能性を持つ惑星を発見したとの発表があった。この惑星は、地球から約45光年離れた「カリクシア星系」の中で見つかったものだ。NASAの研究チームはこの惑星を「ケルベルスb」と命名し、「新たな始まり」をもたらす可能性があると語った。
ケルベルスbは、地球とほぼ同じ大きさで、主星からの距離や大気の構成が極めて地球に近いことが特徴だ。特に注目されているのは、大気中に微量ながら酸素とメタンが共存している点だ。科学者によれば、これらの物質は生命活動の兆候である可能性が高い。
また、この惑星の表面には液体の水が存在する可能性も示唆されている。ケルベルスbを観測している「リュミエール宇宙望遠鏡」による分光データでは、水蒸気の吸収線が確認されており、科学者たちはこれを「生命の鍵」と見ている。
NASAは今後数年をかけて、さらに詳細な観測を行う予定だ。特に、次世代の宇宙望遠鏡「カリプソ」による高精度観測が期待されている。この望遠鏡は、ケルベルスbの大気組成や表面温度を測定し、生命存在の可能性をさらに詳しく分析するという。
一方、発見されたケルベルスbが人類移住の候補地となるかどうかはまだ未知数だ。地表環境や宇宙放射線の影響など、数多くの課題が残されている。しかし、専門家の間では「人類が新たな家を見つける上で、非常に大きな一歩だ」との評価が高まっている。
NASAの研究者は「現時点では断定できないが、ケルベルスbは私たちの想像を超える可能性を秘めた惑星だ」と述べている。今後の研究が、この惑星に秘められた謎を解明する鍵となる。
(山本拓獦)