量子コンピューターが“神の存在証明”を計算中と発表

次世代計算技術である量子コンピューターが、物理学と哲学の境界を揺るがす計算に取り組んでいることが明らかになった。欧州量子研究機構（EQRI）は、独自開発した量子アルゴリズムを用い、“神の存在証明”に挑むプロジェクトを進行中だと発表。これは数学者カート・ゲーデルが提唱した「神の存在証明の論理モデル」を基にしたもので、これを量子コンピューターで検証しようという試みだ。
EQRIの主任研究者は、「従来のコンピューターでは膨大すぎて処理不可能だったモデルも、量子コンピューターの膨大な並列処理能力を使えば解明に一歩近づく」と語る。一部では、この研究が哲学や宗教の枠を超え、物理学や情報科学にまで影響を及ぼす可能性があるとして注目が集まっている。
今回使用されている量子コンピューター「QuantaCore-7」は、業界最高の512量子ビットを誇る最先端の機器。これを用いることで、神の存在を証明する論理モデルの変数を数千通り試行錯誤し、一貫性のある結果を導き出すのが狙いだという。
EQRIによれば、初期段階の計算結果は「論理的一貫性が観測された」というが、結論を出すには数週間以上の計算が必要とのこと。プロジェクト関係者は、「仮にモデルが成立すれば、哲学的議論を超えて科学的証拠に基づく議論が可能になる」と述べ、研究の重要性を強調している。
一方で、このプロジェクトに対しては批判も存在する。倫理学者や宗教学者からは、「科学技術が神の領域に踏み込むことへの懸念」が指摘されており、議論は広がる一方だ。さらに、結果がいずれにせよ、解釈をめぐる新たな対立が生まれる可能性も否定できない。
この研究結果は、今後EQRIの国際会議で詳細が公開される予定だが、科学界だけでなく一般市民の間でも大きな話題を呼びそうだ。
（川村信也）