ゴールドバー、今年のボーナス商戦で大ヒット　終末危機で需要急増か

今年のボーナス商戦でゴールドバーの売れ行きが急激に伸びている。国内大手貴金属販売会社によると、今月の販売数は前年同月比で約3倍。特に20gから100gサイズのゴールドバーが多くの消費者に購入されているという。
需要が急増している背景には、「終末危機」への備えを意識する消費者心理があるとみられる。専門家の間では、金融不安や政治的緊張が続く中、資産を安定した形で保有しようとする動きが顕著だとの指摘がある。また、昨今の「終末危機報道」が不安感をあおり、いざというときに備えるための実物資産として金に注目が集まっている可能性も高い。
東京都内のある貴金属販売店では、ゴールドバーの購入希望者が開店前から行列を作る状況が見られた。店舗の担当者は「以前は投資目的が主だったが、最近は災害や危機に備えて購入するという声が多い。特にボーナスを手にした30代から50代の購入者が目立つ」と話す。
一方で、ゴールドバーの在庫不足も懸念されている。一部の小売店では品薄状態が続いており、納品まで数週間かかる場合もあるという。業界関係者によれば、「金の供給は限られており、需要がさらに増えれば価格が一段と高騰する可能性がある」とのことだ。
専門家は「現金の価値が下がる懸念がある中で、金は有事の資産として一定の信頼を集めている。ただし、価格が急騰する局面では冷静な判断が必要だ」と呼びかけている。
（鈴木一悠）