『終末預金』が人気!来世のために積み立て

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▲ 今話題の終末預金通帳

金融業界で新たな注目を集めているのが「終末預金」。世界の終わりが迫る中、将来の不安を和らげたいという心理から、この預金商品が大きな話題になっている。
「終末預金」は、大手金融機関である中央未来銀行が提供を開始した預金サービス。特徴は、預金した額が来世でそのまま「スタート資産」として引き継がれるという触れ込みだ。具体的には、預金者の「魂データ」が保管され、将来の輪廻転生時に指定のタイミングで資金が支給されるとされている。
提供開始から1か月足らずで、すでに契約者数は50万人を超えた。契約者の多くが20代から30代の若年層で、「来世でも経済的な余裕を持ちたい」という理由が人気の背景にあると考えられる。
中央未来銀行の担当者によれば、「不安定な現代社会において、『生きた証を残したい』『新しい世界でも自分らしく生きたい』というニーズが急激に高まっている」という。さらに、「終末預金」の契約者には、希望する場合、専用の「未来ファイナンスアドバイザー」が無料で付くという点も支持されている理由だという。
ただし、一部の専門家からは批判の声も上がっている。青嶺大学経済学部の木下教授は、「輪廻転生や来世の金融取引について、現時点では科学的な証明がなく、預金者が期待する成果が得られる保証はない。詐欺的なビジネスモデルの可能性も排除できない」と指摘。これに対し、中央未来銀行は「運用プロセスの透明化を進めることで、顧客の信頼をさらに強化していく」とコメントしている。
街頭インタビューでは、「どうせ余命が少ないなら、少しでも未来に希望を託したい」(20代女性・会社員)や、「来世で楽したい。今苦労して貯めたお金を無駄にしたくない」(30代男性・フリーランス)といった声が聞かれた。
一方で、宗教団体や倫理学者の間では、「現世を全うせず、来世に期待するのは逃避ではないか」という議論も起きている。だが、それでも契約者数は増加の一途をたどっており、この新しい預金商品の社会的影響は無視できない状況だ。
未来の経済を見据える新時代の金融商品。「終末預金」の成長がどこまで続くのか、業界内外の注目が集まっている。
(山川陽一)

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